Jungle Temple / Prasat Ta Khwai : 訪問日 06Jan2007


東南アジアの遺跡を歩く」の著者 高杉 等さんから、本遺跡に関する情報を頂きました。
私が訪問した時は、兵士同行でしたが、今はタイ、ガンボジア間の国境紛争で、物資補給用の道が、
近くまでできているらしいです。
しかし、2011年11月の外務省の安全情報では、不測の事態の可能性を排除できないとの事。
以下は、高杉さんのメールから、一部、抜粋です。

今はバイクを止めて樹林の中を100mほど歩くと到着です。
どうやら紛争のおかげで物資補給の道が切り開らかれたみたいです。
遺跡にはタイ、カンボジア合わせて10人ほどの兵士がいました。
ただ問題が、、、。

遺跡の写真をとるには東側か南側なんですが、申し合わせがあるらしく
タイから来た人間は南側には行けません。
境界ライン??から5mほど離れた大きな岩の上がいいポジション(徒歩10秒)だったのですが、
はっきり拒否されました。
どさくさまぎれに行くという雰囲気でもなかったです。

カンボジア側からのアクセスも道が出来てるらしく、
カンボジア人の物売りの子に聞くと歩いて20分だとか。

と言う事で
ガンボジア側にも道ができているようですが、道ができる前のガンボジア側からのアクセスは、
恐怖のロープウェイを使っていたようです。
その動画は、以下。(動画では、本遺跡のガンボジア名Prasat Ta Krabeyで紹介されてます。)
http://www.youtube.com/watch?v=v_ylcd7BLAM

道ができて、多くの人達が行けるようになる事は、良い事だけれど、
一方で、観光地化されてしまうのも、残念な事のように思います。

でも、高杉さんって、すごいと思います。
世界の遺跡を回られているようですし、この遺跡にしても、紛争が沈静化してきているとは言え、
完全に終結してないこの時期に、本当に行かれたと言う事は、驚きでした。



ふうみんさんのHP「イサーンの大地走行2000キロプラス」の掲示板で、
ShinjiさんからJungle Temple(Prasat Ta Khwai)の情報がありました。

その情報は、Asger MollerupさんのHPで、Surinの大学の先生の紹介により、
Border Policeの同行でJungle Templeへ行き、遺跡の紹介がされていました。

遺跡の場所は、 Prasat Ta Muan Thom から11.5km東にあり、
この遺跡自体、タイ領か、ガンボジア領か決着がついてない場所で、かつ、
周辺には、地雷が埋まってる。

しかし、私には大学や、Border Policeの知り合いはいません。
でも、Prasat Ta Muan Thomには基地があり、兵士が駐留していたのを思い出しました。

Prasat Ta Muan Thomへ行き、そこの兵士が言うには、
Ta Khwaiの近くにも同じような基地(No.2602)があり、
そこに頼めば連れて行ってくれるとの事。



と言う事で、 さっそく翌日出発する事にしました。
国境を警備している軍の最初の基地(No.2602)まで
車で行きました。
224号(2121号)を南へ折れてからは、
地面が車の底を突く悪路でした。

最初の基地以降は、銃器を持った軍の兵士の
同行となります。
(参考までに、基地の隊長、兵士は、
英語はしゃべれませんでした。)

まず、第一の基地で、名前、会社名、国籍を記入します。
何かあった時の為に、連絡先が必要との事です。

そして、30分程度待たされ、
第2の基地からバイクの迎えが来ました。
そのバイクに2人乗りし、体に接するすぐ目の前に
銃器を見ながら、第2基地へ向かいます。
第2基地までは、ゴム農園が有り、ダムがあり、
川を横切り、山の中の第2基地へ辿り着きました。

私の運転手の Thanuさん も、
いつも遺跡には興味が無いのに、今日はついて来ました。

そこでは、基地その物にも
非常に興味をそそられました。
第2の基地は電気も来てません。
円形に組んだ柵に、木を削って作ったばかりの
無数の木槍が、全周囲に立て掛けられ、
銃眼を持った堡塁(国境近く検問所によくある。)が
周囲に築いてあります。

そして侵入者を知らせる犬、
食料になるのか子豚が飼われていました。
ここで兵士達は、国境を守る為、
緊張した生活をされているのだなと思いました。
遺跡に行くには、
この基地を通り抜ける必要があります。

写真を撮りたいと思いましたが、
基地内、周辺の写真撮影は、口にも出してませんし、
実際に撮影していません。
写真を消されたら嫌ですし、
逆に追い返されたくなかったので。

第2基地からは、徒歩でTa Khwaiまで、
Jungleの中を登山です。
兵士の足は早く、約1.5km、30分程度の登山です。
多少、足場が悪い所があり、雨季は、登れないとの事。

Dangraek山脈自体は、
タイ側から溶岩がガンボジア領に流れて固まったような
地形(私の勝手な想像)をしてます。
よって、タイ側は、緩やかな斜面です。
ゆっくり歩けば、大した体力は無くても登れる山のように
感じました。

しかし、怖いのは、やはり周辺に地雷が残っている事。
また、Jangleの中なので、毒蛇、マラリア蚊等の危険は、
想定する必要があるのかもしれません。


Jungleの中を進んで行き、
木々の間から祠堂が見えた時は、感激です。
(写真の左から3人目は Thanuさん)



主祠堂の内部です。

右の写真は、
自然石でできたリンガです。
シヴァ神を祭った遺跡のようです。

リンガの前には、
Nagaの彫物がありました。
仏陀が真ん中に坐している?
誰かが供えたのだろう。

周りの黒い粒は?こうもりの糞?




主祠堂を下から見上げたところ。
















レリーフが彫られる前に、
時間が止まってしまった?



















主祠堂西側から内部を見たところ。




















南側の山の斜面にある大岩です。
柱の穴があいています。















私を連れて来てくれた兵士です。
銃を置いて一休みです。















遺跡の際まで木が茂り、
主祠堂全体を撮るのが難しい。



















第2基地へ向かう途中の
川に架かった橋です。














第2基地へ向かう途中のダムの上から、
湖面サイド(ガンボジア側)を見ると、
こんな風景です。

少なくとも、
高さで言うと厳しい山ではありません。

実は、この後、バイク1台がパンクし、
大の大人が3人乗りする
はめになりました。








この遺跡は、発見されて間もない遺跡ですが、
兵士によると、欧米人、タイ人は、年間、調査目的の人も含め100人程度訪れているとの事。
日本人も、誰か調査等で訪れているはずだと思いますが、
同行した兵士は、私が初めてと言ってました。
もし、本当であれば、少し嬉しく思ってます。後で考えると眉つばですが。

遺跡の名前の由来は、良くわかりませんが、
クーイ族(スワイ族)と、この遺跡の名前のTa Khawi(タイ語で水牛)、Ta Sawai(クメール語でマンゴ)と
関係あり??
兵士は、遺跡を見つけたのが、Sawaiさん(ニックネーム)で、今はなまってKhawiと呼んでいるんだ
と言ってました。本当??
でも、遺跡を造ったのは、クーイ族と思います。

最後に
次に行かれる方に対して、危険は地雷だけではないので、蚊や蛇等に対しても、
服装、訪問時期等、よく考えて行動される事をお勧めします。



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